【新世代】スポーツアリーナの歴史
皆様は、スタジアムやアリーナに行ったことがあるでしょうか。 スタジアムとは、観客席のある大規模な競技場のことであり、サッカーや野球、陸上競技などのスポーツがおこなわれています。 アリーナとは、舞台やコートを観客席で囲んだホール施設のことであり、バレーボールやバスケットボール、体操競技などのスポーツがおこなわれます。 スポーツ以外にも、コンサートなどのイベントで多く使われているため、常に人で賑わうスポットであると言えます。 そんなスタジアム・アリーナですが、スポーツ界が盛り上がると同時に、どんどん進化を遂げています。今回は、そんなスタジアムの歴史についてお話していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
スタジアム・アリーナの変遷
スタジアム・アリーナは、初めて建設されてから現在まで、形を変えて進化し続けています。今回はスタジアム・アリーナの進化を、3つの世代に分けて、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
【第1世代】スポーツ施設としてのスタジアム・アリーナ
スタジアム・アリーナが建設され始めた当初は、スタジアム・アリーナとは単に「スポーツをするために」つくられた場所でした。
グラウンドがあって、競技ができればOK。とにかく「スポーツをするため」の場所なので、競技ができるかどうかに焦点を当てており、今のスタジアム・アリーナの様な、観客が快適に試合観戦ができるような環境は整っていなかったと言います。
ちなみに、日本で初めてサッカーを目的に造られたスタジアムを皆様はご存じでしょうか。
日本で初めてのサッカー専用スタジアムと言われているのが、大宮公園サッカー場(現:NACK5スタジアム大宮)です。
(引用元:https://www.urawa-football.com/new/up/2015/10/soccer.jpg)
スタジアムとは言いますが、1964年の東京オリンピックの会場に選ばれたことがきっかけで改修工事がおこなわれ、スタンドが設置されるまでは、湿地を埋め立てたところに芝を植えただけの「とりあえずサッカーができるグラウンド」というようなものだったと言います。
【第2世代】スポーツを観戦するためのスタジアム・アリーナ
時が進むと、スタジアム・アリーナは「スポーツ観戦」に適した場所に少しずつ生まれ変わります。
ベース自体は第1世代のままですが、そこにプラスして、多くの変化が加えられています。
例えば、スタジアムでは沢山のフード・ドリンクが販売されるようになります。「スタジアムグルメ」とも呼ばれ、これを目当てにスタジアムに足を運ぶ人も少なくはありません。現在では、テレビでスタジアムグルメの特集が組まれたり、スポーツ選手のプロデュースメニューなども販売されるなど、スタジアムにおいて、飲食を楽しむことは楽しみの1つになっていることが分かります。
また、派手な演出が行われるようになったのも、第2世代の大きな特徴です。
音楽に合わせてペンライトやスマホのライトを観客全員で照らしたりと、参加型で楽しむことのできるイベントが多く行われています。アリーナでは設備を活かしたプロジェクションマッピングなどの光の演出がおこなわれたり、スタジアムでは、屋根がないという特徴を活かして花火を打ち上げるところもあります。
演出により、スポーツ観戦の時間をより特別なものにすることができます。選手のプレーだけではなく、こういったアリーナ・スタジアム演出も新たな魅力であるということができるでしょう。
以上のことを踏まえると、現在のアリーナやスタジアムを思い浮かべる方も多いかもしれません。スタジアムは、スポーツを見る場所からスポーツを魅せる場所に変わったということができます。
このように第1世代との違いは、観客がスタジアムでの時間をより快適に過ごすことができるということが挙げられます。
【第3世代】ランドマークを目指すスタジアム
現在でも十分に盛り上がりを見せているように思えるスタジアム・アリーナですが、さらに進化を重ねて規模が大きくなってきています。
第3世代では、スタジアムの複合化が大きな特徴となっています。スタジアムの周辺に飲食店などの商業施設や宿泊施設、公園などを隣接させることで、試合観戦のその勢いのまま施設を利用してもらい、収益の増加を実現します。また、スポーツの試合以外の目的でも利用されるようになり、集客の増加を期待することができます。
他にも、街の新たな防災拠点としての利用も可能など、幅広い用途で利用される、街のランドマークのようなスタジアムが目指されています。
もう一つの特徴として、第1世代・第2世代のスタジアムと比べて都市部に多く建設されている傾向があります。郊外に位置するスタジアムは行くまでに時間とお金がかかってしまうため、コアなファンは通ってくれますが、ライトな層は足を運びにくい傾向にありました。アクセスのよい都市部にスタジアムを建設することで、こういったスポーツにあまり興味のない人も、スタジアムに来てくれることが期待されています。
エディオンピースウイング広島は「HIROSHIMA スタジアムパーク」内にある、2024年2月に開業した新サッカースタジアムです。
大型ビジョンなどが設置されたスタジアム内にはサッカーミュージアムが併設されていたり、大規模な公園が隣接していることからサッカー観戦以外の目的でも楽しむことができます。
また、防災公園としての機能もあり、公園には防災スピーカーや災害時にはかまどになるベンチが設置されています。スタジアム内にも備蓄があり、緊急避難場所に指定されています。
(引用元:https://www.hiroshima-stadiumpark.jp/bousai/)
今後建設予定のスタジアム・アリーナ
スタジアムやアリーナの変化について、理解していただけたでしょうか。現在日本では、国を挙げてスタジアム・アリーナ政策を進めています。
2025年夏にはIGアリーナ、2028年10月には川崎新!アリーナプロジェクトなど、他にも多くのスタジアム・アリーナが新設予定です。
第3世代のスタジアム・アリーナはどんどん増えていくと考えられます。これらのアリーナは、街のランドマーク的存在になることができるのか、注目していきたいです。
IGアリーナ
名古屋に建設中のアリーナ。完成後は名古屋ダイヤモンドドルフィンズのホームアリーナになります。1万5000人収容のBリーグでは最大の収容人数で、国際試合での活用も期待されているアリーナです。
川崎新!アリーナプロジェクト
宿泊施設、飲食施設、アート空間、公園機能などを備えた複合エンターテインメント施設。羽田空港からも近く、人口増加を続ける川崎でたくさんの人が集まる拠点になると予想されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。スタジアムやアリーナは、もともとはスポーツをするために建設された施設でしたが、現在そして未来では、他の用途も含めた複合性が求められていることが分かります。今後のスタジアム・アリーナの変化に要注目です。
当サイトでは、スポーツビジネスに関する記事を多数掲載しております。是非そちらも併せてご覧ください。
無料会員登録していただいた学生の皆さまへは会員限定のお得な情報を配信いたします。